投稿者 ちりしこ 1998 年 6 月 12 日 17:42:16
>大井町の「永楽」(通称ゴミラーメン)は、渋谷の「喜楽」に
>良く似てますよね。「喜楽」もお好きなんではないでしょうか?
はい、それはもう。思うだけで、パブロフ状態です。
ただ、永楽は私のラーメンの味覚の原点なので
あそこまで似ていると、私には永楽で充分だと
思ってしまいます。というのも……
大井町に祖母の家があった関係で、永楽とその手前の
一富士は、あのあたりがなんだか、まだ戦争直後の
ような雰囲気を残していたころから縁があります。
子供時代はやや薄味の一富士のほうが好きでしたが、
長じて(というほど大げさなもんじゃないですが)
酒の味を覚えた頃から、永楽に移行いたしました。
祖母は昔から、一富士なんか永楽の真似なんだから
といって、露骨に馬鹿にしておりました。
あの焦がしネギは、永楽のおばあさんだかが考えた
オリジナルだ、というのが祖母の主張でした。
確かに、平べったい麺と焦がしネギ、そして醤油ダレで煮込んだ味付け、の3種は、この2店ともまったく同じ
タイプですよね。祖母によると、永楽が先なんです。
それもおそらく戦後の混乱期にその創始があると
思われます。
何年か前に、一富士がTVで紹介されたことがあり、
その後1カ月、一富士は行列店になってしまいましたが
私はその行列の横を通って、永楽に通いました。
その頃の永楽の店内で、ある常連のおばあちゃんが
「一富士のおかみさん、あんなこと言ってねえ、
この味はあんたんとこがつくったのにねえ」と、店の人に
怒りをぶつけているのを目撃したこともあります。
私の母も、「このあいだ、テレビで一富士のおばさんが、この焦がしネギは私のおばあさんが作ったものです、
なんて、言ってたわよ」と、非常に不満げでした。
母も(祖母の娘で大井町出身)、年に2〜3回ですが、
電車で永楽通いをしています。
ということで、焦がしネギ系は永楽がオリジナル、
というのが、我が家に三代伝わる言い伝えなのです。
喜楽は、当然永楽の暖簾分けだと思っておりました。
(違うんですか)。ほかの焦がしネギ系も、みんな永楽の亜流だとばかり思っていましたので、どれもまだまだ、という評価になっていました。
焦がしネギは、真っ黒でほぼカサカサ状態になってこそ
いい味を出す、と信じていたのです。(今もですけど)
でも、ちょろりのネギは、ちょっと浅漬けですがウマイ。
こういうのにはなかなか出会えなかった。
亡き祖母は、許してくれないかもしれませんけど。
>20年ほど前、森山さんという方が、「喜楽」で働き始めました。
>というわけで、「ちょろり(香湯ラーメン)」と「高湯ラーメン」
>は、少し関係のあるお店なのです。そして、その森山さんは
>「ちょろり」のご主人なのです。
ほんとうに、こんなお話を聞けるなんて仕合わせです。ここにきてよかった。ちょろりを発見した自分も
ほめてあげたい。
嬉しさついでに、焦がしネギについての、我が家の伝承をながながと書いてしまいました。
追記:*焦がしネギという表現は、実は、この会議室で知りました。便宜上、祖母の言葉にも焦がしネギと書きましたが
祖母や母がこの言葉を使ったのを聞いた記憶はありません。
それから、先日、私は、大井町へ行って、はじめて永楽に行かずに帰りました。のりやに行っちゃったんです。以前の私と違ってしまいました。