01/15/1999【 徳島県 】
■徳島のラーメン屋さん
1泊2日で行ってきた「徳島ラーメンの旅」報告です。
【全体的な感想】
・茶濁色の豚骨醤油味。甘み多い。(店によっては甘辛)
・麺は細目のストレート柔らかめが多い。(大量生産もある)
・メニューには、小と大がある。(小は100g、大は140g)
・麺を秤で計って茹でるお店が多い。
・チャーシューではなく、スライスされた煮込み肉が主流。
・醤油ラーメンという概念はなく、ほとんど中華そば。
・なので、塩ラーメンや味噌ラーメンはほとんどない。
・トッピングの玉子は茹ででも味付けでもなく、生がほとんど。
(でも、地元の人で注文するのは少ないらしい)
・関東煮(おでん)があるお店が多い。(和歌山と同様?)
以下、回ってきた17軒の感想です。
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●いのたに
濃い色の茶濁豚骨醤油味。和歌山ラーメンをちょっと甘くして
こってり感が少なくなるとこんな感じかも。
麺は細目で柔らかいが、製麺所出身だけあって、風味はよい。
かん水少な目のツルツル麺です。
チャーシューではなく、バラ肉の薄切りを煮込んだ“肉”入りが特徴。
東京にはない。肉の味付けがやたら濃く、御飯があいそう。
ワゴンで運ばれてくるのも印象的。大量生産のようだ。
●支那そば 広東
店名からも大きさからもレストランのような雰囲気。キャパ50-60か?
しかし、メニューを見るとラーメン専門店。女性店員がほとんど。
ここも大量生産(12-14人分くらいを同時に作る)ワゴン運搬方式。
客層は平均年齢高い。(この時は。)
味の方は、「いのたに」に良く似ており(豚骨やや強いか)、
これが徳島ラーメンか?と認識。肉はおとなしめの味。
玉子入りをちょっと味見したが、味がまろやかになって随分と変わる。
でも、地元の人は、そんなに玉子入りを頼まないらしい。
●中華そば たかはし
知人から、「暗くならないうちに行くように」と言われており、
何故?と思っていたが、すぐ納得。場所のわかりにくさもあるが
外観も、入るのをためらうようなおもむき。覚悟を決めて店内に入ると
「あちゃぁ〜、失敗」と溜息をつきたくなる雰囲気。
一応、注文。しかし、意外と美味しい。豚骨がかなり強めに効いており
僅差ながら、前の2軒より好みかも。普通の中華そばを頼んでも肉は多い。
メンマではなく、タケノコのスライスだった。麺は前の2店と比べると
少し太い。ストレートでツルツルした感じは同様。
偶然の順番で回った3軒であるが、この3軒が徳島標準に近いのでは。
●王将
結構こってりした豚骨味。ご主人が孤軍奮闘しており、それが行列の要因か?
しかも、並んでいる人もいるのに、出前にまで行ってしまう始末。
随分待たされた。店内に漫画・雑誌が多いのもその理由か。
食べ終わっても席を立たない不届き物(我々は立って待っているのに。)が
いるのは、困りもの。
私たちの分は、13人分同時作成の離れ業。
東京では大顰蹙の作り方だが、徳島では気にしないらしい。
案の定、麺はやわやわ。スープもぬるい。最初の一口だけが感動であった。
しかし、少人数分を作れば、きっと感動を呼ぶラーメンを作ってくれるお店
であろうことは認識できた。(湯切りが丁寧。その音がいい)
チャーシューは分厚い。チャーシューメンのチャーシューの量は驚くほど。
(チャーシューメンと中華そばのチャーシューは違う。)
家族で来ていたお母さんは、悲鳴を上げていた(笑)。
クリーミーなスープは、和歌山風に似ている。完食すると髄が残っていた。
●やたつ
これまでの中で一番狭いお店。子供入店禁止、お一人様一人前食べられない
お客様ご遠慮、赤ちゃん連れお断り、など、なんか緊張感のあるお店。
他店のスープを茶濁色としたときに、ここはチョコ色(という感じ)。
深みのあるスープで美味しい。白い麺に色が付く程の濃さ。
ラードと8種類のスパイスが入っているらしい。
麺はやや細目ストレート柔らかめ。
ここは、チャーシューも“肉”もあった。徳島風ではあるが、突出した特徴
があるわけではなく、食べ終わったときに「あぁ美味しかった」と
素直に思えるラーメン。他の人の評判もかなりよかった。
おそらく、全員の総合点を合算すると徳島で1位かも。
●岡本中華
今まで茶濁のスープを見てきたので、たかが隣の市に行ったところで
そんなには変わらないだろう、と言う認識がもろくも崩れ去った。
明らかに違う。これまでのが徳島ラーメンならば、これは徳島
ラーメンではない。甘味のある白湯スープ(白いポタージュ色)
だが塩分が強烈。不慣れな?我々は、水を欲しくてしょうがなかった。
不運にも“濃いめ”で頼んだ人は、つらそうだった。一口スープを
飲ませてもらったが、それはそれは、塩辛いものでした。
たまたまでしょうか?いつもなのでしょうか?
麺を食べ終えるのがやっとでした。(残したいくらいだった)
●いもお
徳島+九州系のような薄い色のスープ。化学調味料が強い。
メンマらしいメンマ。噛みごたえのあるチャーシューは
美味しいが小さい。ニンニクを入れるとコクが出て美味しい。
あとは、あまり印象に残ってない。
●ふく利
ここが、徳島ラーメンの一番特徴的なラーメンかなぁ、と思う。
茶濁の甘いスープ(少し辛み有り)。麺は柔らかい。
おでん(関東煮)がある。チャーシューはパサパサ。
食べ慣れてきたせいか、特に何の感動もない。
まずいわけでもないが・・・・。
おでんやチャーシューも旨い、と雑誌で紹介されたことが
あるらしい。
●あべ
これは驚いた。そこそこ有名店だと認識していたので徳島風ラーメン
が出てくるかと思ったら、スープが白い。あっさり豚骨スープ。
タンメンのような感じ。薄焼き卵・いんげん・かまぼこなどの
盛り付けが綺麗。具自体も珍しい。チャーシューも“肉”に
近いものであった。個人的には本日9軒目であったが美味しく完食。
いままでと異質だったからか、好みなのかは、自分でもやや不明。
●中華そば たいこう
昔は屋台だったらしい。海の家的な雰囲気。夜遅い時間だったせいか
客層は若い人ばかり。スープは透明感があり珍しいタイプ。
しかし、化学調味料が効きすぎ。ちょっと酸味ある。
それと異様な風味が漂い、食べる前から、私は腰引け気味。
一応、麺と具は食べたものの、かなりつらかった。
徳島では珍しい味噌ラーメンはインスタントの「サッポロ一番」の
ような味だった。
他の人も満腹ではないはずなのに、次の店へ行く意欲を失ったようで
このお店を最後にホテルへ向かった。
●土佐
人気のお店で今回、食べたい筆頭のお店。昨日は臨時休業だったために
今日こそは、と意気込んでいく。「開いてて良かったぁ〜」。
予備知識がないと絶対入らないだろうという外観。中に入るとさらに
驚く。狭い店内、我々6人でかなり埋まる。すぐ待ち人が出きるほどの
人気店。店内は、異様に古い。歴史的にも食べる価値のあるお店だ。
出てきたラーメンは、驚く無かれ、東京にしかないと思っていた
「ラーメン二郎」のスープ。麺は細麺ストレートだが、油の具合や
ニンニク風味のこってりスープは、懐かしく思えるくらい。
前日までのラーメンに飽きてきたせいか、大変美味しくいただきました。
でも、東京の「二郎」の方がはまるなぁ。
●中華そば よあけ
1年前の私なら徳島と言えば「よあけ」だった。
期待高々、カウンターに陣取り、楽しみに待つ。
歴史あるお店だが改装したのか、店内は綺麗。
これまでのお店でもメニューの「小」を頼んできたが量的には博多ラーメン
程度はあった。しかし、ここの「小」は、ホントに小だった。
色は他店より薄目の茶色で化学調味料を使わないさっぱりスープ。
私には物足りなく(量的にも)期待が大きかっただけに悲しかった。
でも、総合的には徳島を代表する
お店であるという認識は変わっていない。
●支那そば 名東軒
これこそ、徳島の一般的なラーメン(昨日から数軒回ってみた結果)の
ように思う。ただ他店に比べて甘みは少ない。
メンマではなくタケノコというのも面白い。
(これは徳島の特徴かどうかは不明)
ここは小さい丼に溢れるようなスープで出てくる。
(実際、かなりこぼしてしまった。)
●支那そば いわた
畑も多い住宅地の中にある食堂的雰囲気。定食なども多い。
三日間煮込むというスープは、不慣れな風味。
それを美味しいと思うかどうかは、わかれるところか。
コク有り、味わい深いが、私は、やや苦手。
スープを煮込む釜はかなり大きい。
●末広
普通の徳島ラーメンという感じ。特に何の印象もなかった。
●一久
甘い甘いとは聞いていたが、甘いもの好きな私は、大歓迎。
と思っては居たものの、こうも変に甘いとつらい。
許容範囲の甘さを超えているのでは無かろうか?
極甘以外は、徳島風。チャーシューもメチャ甘い。
●三八
徳島の南に行くと白湯スープ。北の鳴門は今度は黄色いスープ。
この黄色いスープはとろみもあり、旨味も十分出たスープ。
台風で飛ばされそうな建物だが、歴史ある名店の本店らしい。
和歌山で言うところの「井出商店」のようなものか。
ラーメンのあとのソフトクリームも又美味しい。
ラーメン屋さんのソフトは、名古屋の「すがきや」、岡山の
「すわきや」以来か。
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